しいたけにとってのリスクを考える

「自宅でしいたけ栽培」は、害虫が入り込みにくい、害菌が発生しにくい特徴をもっています。

 

その理由は、「外気」に触れる機会、時間が短いことが挙げられます。ビニールハウスならば、ドアを開けると直接外気がすぐに入ります。この隙に、害虫や害菌が入り込むリスクがあります。

 

一方で自宅の一室で育てる場合、玄関→部屋のドアという「2つの関門」があるのでリスクは低くなります。併せてビニール温室のように覆ってしまうものがあると3つ目の関門にもなってくれます。

 

でも、完全に0になるわけではありませんので、今日は害虫や害菌に関して学習している内容をご紹介します。

 

まずは「害虫」です。最初の1匹が入ってくればどんどん増える特徴があります。主な害虫は「キノコバエ」と「コナダニ」だとして扱っています。

 

キノコバエ・・・約150種類以上いると言われています。しいたけ自体(子実体)ではなく、菌糸を食べるようで、きのこ類が大好きです。

 

ヤナギゴケ・・・藻の種類のようです。育てている場所の照度が高いと発生するようですが、自宅では電気を消して、雨戸を閉めていますのであまりリスクとして感じていません。

 

しいたけタワー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つぎに、これはむずかしく、やっかいな「害菌」です。いろいろ文献や論文を読み漁って、こちらの研究機関と巡り合いました。

 

「九州地区林業試験研究機関連絡協議会 森林微生物管理研究グループ」です。中でも主任研究員 の宮崎 和弘さんが執筆されている文献は非常に分かりやすく、参考にさせていただいてます。

 

ちょっと簡単にまとめてみました。引用している文もありますのでリンク先を貼っておきます。

http://www.ffpri-kys.affrc.go.jp/situ/mic/miyazaki/gaikinhp.htm#top

 

栽培特性上の害菌

Trichoderma(トリコデルマ)属・・・ツチアオカビ

Penicillium(ペニシリウム)属・・・アオカビ

Verticillium(バーティシリウム)属・・・葉を枯らす、発育を抑制してしまう菌

Neurospora(ニューロスポラ)属・・・アカパンカビ

 

が代表的な害菌です。特に30℃以上になると発生率が高くなるということで、23℃以下に保つことが必要なしいたけ栽培では、「アオカビ」は発生こそしますが、すぐに洗い流して悪影響がでないようにしています。

 

面白いエピソードがあります。

 

あるお客さまから「朝起きたら、菌床の上面全体的に”シロカビ”がたくさん!どうすれば?」とご連絡をいただきました。

 

画像を送っていただいてすぐに分かりました。「これはシロカビではなく『胞子』です」とお答えすると、驚かれました。

 

目視できるくらい多くの胞子を出すのは、うちがお取引している菌床業者さんの努力の結晶ですね^^

 

これからも安全・安心な製品を皆さまへお届けいたします。

 

株式会社チームのちから

自宅でしいたけ栽培 事業責任者

たのしいたけ園 植竹 剛