継続力を養うクレンリネスと面接での活用とは?

こんにちは!
株式会社チームのちから 代表取締役
店舗経営チーム力向上コンサルタント
の植竹剛です。

本日も店舗経営チーム力強化ブログ「チームの力」に
訪問していただいて有難うございます!

今回は「QSC」に関する最終話になります。
気づきがありましたら、またお知らせします。

「基本の徹底」には「当たり前のことをコツコツやり続ける」
という言葉が隠されていますね。

今までご紹介してきたご提案にもこの言葉が盛り込まれています。

でも、このコツコツやり続ける「継続力」は
本当に難しいものです。

私もこのブログの作成スケジュールで自身に課しているのは、
7:00の朝食までにブログの構成を1本書き上げて、
当日中に粗版を完成させることを目標にしていますが、
強い意志が必要です。

ブログ作成とは別に、
意志を鍛えるために日課を設定しています。
それが、「清掃」です。

私は「水周り」担当です。
トイレ・洗面台・お風呂が主な担当です。

清掃は道具を用意することから始まります。
トイレ専用の道具から準備してスタートです。
なぜトイレから始めるか?

朝一番で用を足す時、気持ち良い方がいいだろう、
という発想です。

ほぼ私が一番なのですが(笑)。

ある方には「清掃は30分掛けなさい」と教えをいただきましたが
なかなか朝の忙しい時間帯には難しいので私は10~15分です。

この継続力を家族にも助けてもらっています。
「今日は風邪気味で調子が悪いな~」
「昨日までやってきたから、今日はサボろうかな・・・」

こんな心のささやきを家族が打ち消してくれます。
「お父さん、廊下終わったよ」
この一言でお父さんは目の色を変えて奮起します!(笑)

店舗、仕事場でもこのような効果は期待できます。
あなたは「組織トップ」なのですから。
「部下からのプレッシャー」は大切です。
「部下力を鍛える」という言葉の意味の一部にもうなずけます。

加えて、「習慣化」されてきます。
この朝一清掃を始めて、約6年が経ちました。
もう、やらないと気持ちが悪いのです。
朝食を摂るイメージが湧いてきません。

このようにして、半ば強制的に自身に課して
人間のもつ素晴らしい習性に訴えかけます。

この「清掃=クリンネス」を状態として表したのが
「クレンリネス」です。

「クレンリネス=磨き上げられた状態を維持する」
最初に教えていただいたのはロッテリア時代でした。

この清掃行為を通じて、清潔な状態を維持することは
会社、店舗にとってどのような効果をもたらすでしょうか。
箇条書きにしてみます。

■細かいところに気づける

1.経営状態の具体的把握
2.盲点をなくす・減少する
3.従業員の素の働きぶりを観察できる
4.顧客の素の感想が聞こえる(話しかけられやすい・聞こえてくる)

■メンタルをきれいにする

=体も比例して、
=経営者・組織トップとしてのセルフマネジメント

1.すがすがしさ
2.達成感
3.健康的(早寝早起き)

※ 創業当時の新鮮な気持ちを維持することができる。
=理念の実践につながり、軸がブレることが少ない。

私がお手伝いをすることになると、作業着と清掃用具を持って
お伺いすることが多いです。

会議室・事務所でのヒアリングに
何時間も掛けてもあまり意味がない、
とも考えています。

実践コンサルタントを目指している私は、
清掃の仕方を教える方への指導も行っています。

精神論を語りだすと、コンサルタントとして失格という評論を
される方もいらっしゃいます。私の自論では精神論だけでは
その通りですが、人としての基礎となる「メンタル部分」を
最大限に引き出すことがまず最初に必要であると考えています。

私の清掃の師である鍵山秀三郎さんを尊敬しているのは
もちろんですが、今日はこんなエピソードをお話しします。

タイトルは「共同コップでうがいする」です。
私は約6年前に管理者養成学校 上級コースを受講しました。
その時の体験です。

あれは10月の中旬です。
富士のすそ野にある学校はとても寒く、風邪を引きやすい
状態になります。

なので、洗面所で休憩や食事前には必ず手洗い・うがいを
指示されます。

いつものようにしていると、ちょうどその時先生がお見えになり、

先生:「植竹訓練生はそうやってコップを自分が使う前に洗うのか?」
私 :「は、はい。そうです。」
先生:「そうか、私は残念だ」
私 :「はい?」

先生:「あなたは使い終わったコップをどうしている?」
私 :「はい、コップをゆすぎ洗いをしてから伏せて置きます」
先生;「それは全訓練生が行っていることか?」
私 :「はい、そうだと思います」

先生:「思います、ということは全員ではないということか?」
私 :「全員が洗っている姿を確認できていないのでそのように
申し上げました」
先生:「もういい」

と(捨てゼリフを)言われて立ち去られました。
私は頭の中が?マークでいっぱいです。
同じ訓練生に質問してみました。

私 :「先生にこんなことを言われてしまった・・・」
同志:「植竹、そりゃそうだよ」
私 :「何だかわかるの?教えて!」
同志:「いじわるじゃないけど、自分で悟った方が良いよ」

その晩はかなり寝つきが悪かった思い出があります。
翌朝、私は持ち回りの「班長」でした。
先生から朝一番で質問が入ります。(約5時35分)

先生:「植竹班長、昨日の私の投げかけは理解してくれたかな?」
私 :「はい、申し訳ございません、まだ解りません」
先生:「ならば、理解できた時点で報告に来なさい」
私 :「はいっ!」

その日やっと理解できました。
同志である訓練生は次にコップを使う人への「配慮」と「エチケット」
でコップを洗って伏せます。
このコップの状態(清潔な状態の維持)を信用していなかったのです。

周囲を信じられなくて何が訓練なのか?
という問いかけをしてくださっていたのです。

先生へすぐに報告に行きました。

私 :「入ります!」
先生:「どうぞ」
私 :「報告します。上級1班、植竹剛です!」

良く気が付いた、とお褒めの言葉をいただきました。
それからは様々な課題がドンドン進んでいきました。

仲間の状態の維持を信じることができたからでした。

経営者・店舗トップのあなたは部下、アルバイトが
毎日行う清掃を信用していますか?

あなたを含め全員が分担をして清掃することの奥の深さを
ご理解いただけましたでしょうか。

トイレ周りなどあまりやりたがらない所をあなたに
ぜひ清掃していただきたい、と強く願います。

決められた分担箇所を徹底的に磨き上げる。
周りも一所懸命であれば自分も手抜きはできないという
心地よいプレッシャーを味わう大切さ。

分担箇所のパーツを組み合わせて店舗全体の
清掃は終了です。

まとめ上げるのはもちろんあなたです。
チーム全員の力を合わせて店舗を磨き上げます。

あなたが先頭を切らずして誰がやるのでしょう。

あなたの覚悟を感じます。

アルバイトだけではなく、社員の面接試験の時にも
清掃行為を実践してもらう会社が増えています。

家庭での躾(掃除をやらせてきたかどうか)を確認するには
最高の材料です。

■テーブルを拭く
■掃除機をかけてもらう
■段取り・掃除をする順番・片づけながら次の作業に移る等の
先読み力や正確でかつ早い等の考課項目が作れます。

トンビは鷹を生みませんね。
面接会場が汚れていればそれなりの人材しか採用できません。
磨き上げられていて、それ状態に気づき、なるべく汚さないような
所作が見えればその人材は逸材の可能性ありです。

こうして今日もチーム力を結集して心の準備と仕事の準備完了です。
開店直後、掃き清められた店頭の自動ドアが開きます。

あの瞬間のうれしさ!
また、ご来店いただけた!
そして、「いらっしゃいませ!」
清々しい今日一日のスタートです!

本日も最後までお読みいただきありがとうございます!
次回からは新しい内容をご紹介します。

株式会社チームのちから 代表取締役
店舗経営チーム力向上コンサルタント
植竹剛