障がいを知る6 息子の場合4

2018年4月、息子は減量を始めた。

 

 

成長期でもあるし、どう調整していけばよいのかを考えた。

 

 

結論は、晩ご飯のお米を止めサラダやきのこ類などを増やす作戦だ。

 

 

これは見事に失敗。おかずを全部食べてしまうくらい猛烈な空腹感があったのだろう。

 

 

つぎに取り組んだのは「その日の運動量」に対して摂取する食べものと量を調整するようにした。

 

 

一見、理論的に見えたがここに落とし穴があった。

 

 

「隠れ買い食い」であった。

 

 

コンビニでから揚げ、おにぎりをお腹がすいたら買って店頭で食べてしまう・・・。

 

 

2018年5月、1か月後に84キロで+1キロ。減量じゃなくて増量だ。

 

 

小遣いを取り上げるのは心が痛む。そして悩む。あくまで息子は食欲に忠実なだけなのだ。

 

 

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水泳のコーチに相談すると、「今は食べさせてあげて良いのでは?」

 

 

親が先走っていた感を見事に指摘された格好だ。

 

 

結果を見過ぎた親のエゴか・・・。でも聞かないと気が済まなかった。

 

 

「カイ、痩せる気ある?」

 

 

「うん、あるよ!おかしたべるのがまんしてるもん」

 

 

「そうだったのか。カイもがんばってるんだな」

 

 

「うん、じゃがりこをね、まいにち3ぼんまでってきめてるんだ」

 

 

(やってたんだな、ダイエット・・・。信じてやれなかったな、スマン、カイ)

 

 

「じゃ、じゃがりこは全部がまんして、お肉とかお魚を増やすのはどう?」

 

 

「りょうほう!」

 

 

「両方はブー(NG)。どっちか」

 

 

「なら、じゃがりこ!」

 

 

(なかなかのじゃがりこファンらしい)

 

 

「オーケー!分かった!じゃあこうしないか?運動したらご褒美でじゃがりこ3本はどうかな?」

 

 

「なんのうんどうするの?」

 

 

「そうだな、腕立て伏せ10回かな」

 

 

「うん・・・」

 

 

やりたいことはやりたいが、やりたくないことはやりたくない。このような工夫を幾度も仕掛けるが3日坊主ならまだしも、1日ボウスも。

 

 

そんなことをしてる間に、いつのまにか7月になった。

 

 

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運動量は中学時代を上回るようになり、徐々に減量し始めた。

 

 

コーチの指導も熱が入り、シンクロ率が高まってきた実感があった。

 

 

大人を真剣にさせる何かが、カイにはあるらしい。

 

 

息子とともに水泳会場のロッカールームに行く際、数十人の老若男女に「おーカイ!そろそろか?がんばれ~!」と声を掛けてもらう姿をよく見かける。親には分からない息子の魅力があるようなのだ。

 

 

そして、「羽生結弦選手の専属トレーナーをされた菊地晃先生をご紹介できます」というオファが舞い込むことになる。

 

 

株式会社チームのちから
代表取締役 植竹 剛