障がいを知る9 息子の場合7
息子の2019年度は飛躍の年となった。
毎回3秒ほど速くなり、自己新を連発していった。
体重コントロールもうまく行き始め、100m背泳ぎでも大切な「後半の伸び=バテとの闘い」にも打ち克てるようになっていった。
水泳競技では同種目でもレース順が後ろになればなるほど「前走タイムの速い」という決まりがある。しかも、花形コースは4・5コースで山型な展開になることが多い。
やっと息子も最終レースにエントリーするようになっていった。1レースで7名から9名ほどの出走になる。いわば最終が決勝のような雰囲気でイメージしてもらえばよい。
いやー、その最終組、レベル超絶高い。
リオパラで銅メダル。
ユニバーシアードで1位。
海外派遣標準記録未突破者は息子だけ。
こんな感じでカイの気持ちの中では「連戦連敗」と映っていたようだ。
カイ、どうだった?
う~ん、あんまり。。
そうか、楽しいかい?
う~ん、あんまり。。
(親心としては、一難去ってまた一難か・・・)
(最終組はすでに名誉なんだけど、それは息子には理解できないかもな・・・)
じゃあさ、自己新を続けていけばたのしくなれるんじゃない?
そうだね。。
う~ん、ムズカシイ・・・。
でも一つ気づきがあった。
●●ちゃんのタイムが良い時は息子も一緒に喜んでいる。
ん?共感性が出てきたのかな?という印象を持った。
そこで仮説を立て、「家族で目標を立てて、みんなで協力しながら達成し合う喜びを感じよう!」という作戦名を考えた。
結構これが今でもうまくいっているようだ。
目標は数値化しやすい内容にしている。「体重●●キロ」「懸垂●●回」「1分10秒を切る」などである。
その結果、2019年度終わりの2020年1月には国内で7番目のタイムを出せるまでになった。
でも、このコロナ禍でジャパンパラ水泳は中止、東京パラリンピックも延期の発表である。
次回、最終話でどのように今、息子のモチベーションは維持されているかをご紹介したい。
株式会社チームのちから
代表取締役 植竹 剛
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