【飲食店向け】食材のロスを減らして粗利を確保する方法

今日から
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飲食店で「見えないお化け」である『食材ロス』。
見える化が専門の私としては、このお化けの正体を明かします。

 

 

月間売上300万円として、食材仕入れ額が80万円とします。
食材原価率は80万円÷300万円×100=26.7%になります。

 

 

でも、本来の食材原価率の理想は23.0%を目指していました。
23.0%を金額で表すと、300万円×23.0%=69万円です。

 

 

80万円ー69万円=11万円は
どこに消えてしまったのでしょうか。

 

 

1.消えた11万円を探す

食材には、商品として提供できない部分も「一緒に」仕入れています。
肉類の骨やスジ、野菜類の根、魚のヒレなどが該当します。特に重量制で購入しているお店では仕入れた食材の質が落ちたな、と思った時は「ロスが増える=粗利が減る」と思い、速攻で仕入業者と交渉しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とはいえ、これだけで11万円のロスにはなりません。次にロスの種類を挙げてみます。

 

・製品ロス……オーダーミスなどで、完成品を廃棄するロス

・半製品ロス……焼き物、揚げ物を調理して温蔵庫などにストックしている食材が廃棄になるロス

・原材料ロス……仕込み過ぎによる廃棄、レシピよりも多く使ってしまうことで起こるロス

・原材料歩留り……缶詰に入っている調味料など、重量通りには使用仕切れないで廃棄することで起こるロス

という4種類が一般的です。原因もはっきり分析できます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・製品ロス……オーダーミスや落下など「店舗オペレーション」の改善で問題解決

・半製品ロス……販売数の予測ミス。「販売計画」の見直しで問題解決

・原材料ロス……仕込み過ぎは同じく「販売計画」、過剰使用は「レシピ」通り作れていない「仕組み」の問題か、「人員的なモチベーションの問題」を解決する。

・原材料歩留り……あらかじめケチャップは「95%しか取れない」という「歩留率」を設定して、棚卸での「理論値」に反映させることで問題解決

 

というように「原因の分解」ができます。
見える化を行うことは原因の分解から入ることを指しています。

 

2.探せない理由は「レシピ」にあった

皆さんのお店ではレシピは全種類用意されていますか?
まずは、レシピが揃っていることが大前提です。レシピがないと理論と実際の比較「差異」になる基準がないことになります。必ず揃えましょう。

販売個数が1,000食として、1食に付き5gのケチャップをつかったならば、ケチャップの使用理論値は

 

5g×1,000÷0.95(歩留率)=5,263g
となります。

今日は3月31日と仮定して、棚卸をしてみましょう。

・2/29営業終了時点でのケチャップ在庫は2缶(約6,600g)と使いかけが400gで7,000g
・3月中に1缶を発注した。(合計で3,300g+7,000g=10,300g)
・3/31の棚卸の数量を計量したら、1缶と200gだった。

 

本来ならば、5,263gが理論値に対して、実際は3,500g×0.95=3,325gでした。
差異が5,263-3,325=1,938g出ています。

 

ここで1,000食で1,938gが過剰だったとすると、1食に対して5gのところを6.938gをつかっていることになります。これはさすがに料理の味が変わってしまいますね。

 

でも、このような過剰投与(オーバーポーション)はよくあることです。レシピの分量の再検討か、他の方法でロスを退治していきます。

 

 

 

 

3.食材を7つに分解する

①生鮮品
②冷蔵品
③冷凍品
④常温品
⑤油類
⑥調味料
⑦その他消耗品
消耗品は食材ではありませんが、もれなく管理することで相当なコスト改善になりますし、ほぼ食材仕入れ量と比例して使用しますので、組み込んでおきましょう。

 

 

ここでチェックするべきことは「加工前食材の消費期限」と「仕込み後食材の賞味期限」を決めることで、ロス管理とともに、料理の品質管理や衛生管理もすることができます。

 

 

賞味期限ギリギリになれば、「店長のおすすめ」として販売促進を仕掛けて「廃棄ロス」を退治します。味に問題なければ「どんどんお客様にご提案して」ロスを防止します。

 

 

端物野菜が残っているときには味噌汁を「具だくさん味噌汁」にプラス50円で変更可能です。というようなメニューの準備をしておくと対策になります。

 

 

4.消えた11万円の内、4万円が返ってきました

この4万円は実に大きい金額です。年間で50万円弱です。
10年続けば、小さな店舗をもう一つ開店することができます。

 

そして、食材原価率の理想を23.0%から24.5%に変更しました。
これで、食材の品質も保たれ、美味しい料理が提供できます。

 

このように、原因を探す場合には、食材などの「かたまり」を分解することから始めましょう。

この数字は、実際にコンサルテーションをした飲食店での過去データです。
この仕組み改善は1か月の準備、2か月のトレーニング、3回の棚卸によってゴールを迎えました。
皆さんのお店でも必ずできますが、根気も必要です。

 

売上が高い、利益が多くでているお店ほど実施するとさらに大きい粗利額を確保することができ、さらに良い食材を仕入れることができ……と好循環になっていきますので、ぜひ実践してみてください。

 

今日からできる「すぐコツ」は、
看板メニューの販売目標数を決め、全員で達成してみましょう!

 

株式会社チームのちから
代表取締役 植竹 剛