【事例付き】パートさんアルバイトさんが育つ組織づくり3

昨日のブログでお約束しました

”私が店長時代にどのようにこの「理念説得活動」を毎日実践したか” を書いていきます。

 

 

私がロッテリアに入社した当時(もう25年も前)、出勤すると朝礼があって締めは「ロッテリア五訓」の唱和でした。

 

 

ロッテリア五訓

一、私はいつでも、高品質の商品を提供します。

二、私はいつでも、美しく清潔な店舗を維持します。

三、私はいつでも、お客様を大切にします。

四、私はいつでも、チャレンジ精神を持ち続けます。

五、私はいつでも、心身共に健康な状態で最善を尽します。

 

 

5年半、年間260日として約1,430回になります。「通し勤務」というシフトもある時は、早番・遅番の朝礼で2回唱和するので1,600~1,700回くらいは唱和したと思います。

 

 

これだけでも理念浸透の効果はありますが、実態は「唱和しているだけ」「覚えているだけ」の状態であったようにも思えます。

 

 

盛り上がりに欠ける朝礼でしたので、何か工夫をしてみようと考えてみました。事例を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.朝礼時

☆五訓の中で、今日のシフトで「何をどうこだわるか」を伝達する。

☆アルバイトリーダーにさらに細かく目標を設定してもらう。

☆全員がメモを取る。

 

 

これも実践されている企業は多くあると思います。

 

 

この中で私は「何名の常連のお客さまに『今日のこだわり』に気づいていただけるか」を調査することにしました。

 

 

常連さまが来店されると、席まで伺い「今日のこだわりポイントは何だと思います?」と質問していきました。

 

 

最初は、「うん?何だろう。観察してみるね」というリアクションでした。

 

 

お声掛けを1週間ほど行うと、ピークタイム(忙しい時間帯)に、わざわざカウンターまでお越しいただき、「客席の清掃にこだわってる?」とお知らせいただくこともありました。

 

 

「有難うございます!!!」と感謝するとともに、私自身「うれしい気持ちいなった」ことをよく覚えています。

 

 

これは「小さな努力」を『評価』していただけることで、モチベーションが上がるという気づきを得ました。

 

 

何のためにロッテリア五訓を毎回唱和しているのかの答えは「お客さまにご理解いただく、感じていただくため」であることはパートさんアルバイトさん全員分かっています。でも、実感が湧かない」という課題がありました。そこを工夫したのです。

 

 

そこで、うれしくなった私は実務が終わった後に行う「終礼」で、パートさんアルバイトさん全員に「報告」をする仕組みを導入しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.終礼時

☆今日は佐藤さま、鈴木さま、田中さま、計☆名の方に気づいていただけました!(例)

☆気づいていただけた常連さまが選ぶ今日のNo.1は「斎藤さん」です!おめででとう!

 

 

 

副賞は自店舗で使える「ハンバーガー」もしくは「エビバーガー」の無料チケット1枚です。本来の使い方とは違いますが時効としてください(笑)。

 

 

こぼれ話で、カウンターやフロア業務を行うスタッフ(ロッテリアではパートさんアルバイトさんのことを「メイト=仲間」と当時呼んでいました)の方が有利だ!という声が上がりました。

 

 

その通りです。当時は「グリル=ハンバーガーを作る役割」、「フライヤー=ポテトやパイを揚げる役割」といった分担がされていました。このメンバーはいわば黒子的であり、常連さまに直接アピールすることは難しい立場です。

 

 

そこで、私はそのメイトに提案しました。

 

 

”高品質の商品”という言葉の意味は広い範囲を指すけど、カウンター(のメイト)と連携して揚げたてポテトをアピールしてもらって、「おいしい!誰が揚げてるの?」と言っていただけるのではと思う。

 

 

バーガー類も同じだね。シンク(洗い場)やバックヤードで仕込みやクレンリネス(清潔な状態を維持する業務)をしていても「異臭防止」や「大きな音は立てない」というケアは、常連さまならきっと気づいていただけるはずだ。

 

 

という話をした後日、常連さまに「商品」のこと「バックヤードでの仕事ぶり」もぜひ観察なさってくださいというお願いをしていきました。

 

 

そして、”チーム黒子”にもスポットライトが徐々に照らされるようになりました^^

 

 

今日のポイントです。

◆工夫の第一歩は普段から「何かヒントはないかな」と小さな事象を観察する。

 

◆ヒントに気づけたら以下の4ステップを踏む。

① 仕掛け(やり方の計画)

② 調整・準備(常連さまへの協力依頼)

③ 実施(朝終礼)

④ 改善ポイント(揚げたてポテト)を即実行

 

◆小さなことから始める。大きすぎると目的がぼやける。

 

 

このような活動が軌道に乗ると、「店舗の売上」はジワジワと上昇していきます。そして何より大切なのは、パートさんアルバイトさん一人ひとりが「貢献できている」という実感を得てもらえることです。

 

 

ちなみに、この活動での副産物は「新人パートさんアルバイトさん」が一番難しいと思われる、「お客さまとの一言会話」も格段にスピードアップして上手になりました。

 

 

理念説得、浸透の意味をご理解いただけましたでしょうか。

 

 

ご意見・ご質問・ご感想お待ちしております!

 

 

 

 

株式会社チームのちから
代表取締役 植竹 剛