自閉症スペクトラム障がいをもつ息子に作業を教えるときの方法

カイ、「しいたけのタネ」は届いたかな?

仕事先で用事をすませて息子にLINEしました。

ほどなくして、「うん、なんかちょっとおもたいはこがとどいてるよ」と返信。

それそれ!すぐに帰るね!

うん

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しいたけ菌床は袋詰めされてとどきます。空気弁も付いています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


   

カッターでキズをつけないようにやさしく切り込みを入れて取り出します。それからシャワーヘッドで軽く水洗いをして、「ヤニ」をとり除きます。手袋は必須です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで、ビニールにおおわれたラックに置いて完了です。

わずか3つのことです。慣れれば、準備と片づけを含めておよそ10分です。

でも最初は2時間ほどかかりました。理由は「作業の細分化」です。

この内容を息子に教えるときにはこのように分解します。

内容は上記の「カッターでキズをつけないようにやさしく切り込みを入れて取り出します」の前工程、準備編です。
   

1.いえのチャイムがなったら「はーい!」とおおきなへんじをする。

2.げんかんのカギが、かかっていることをめでみてかくにんする。

3.インターフォンで「どちらさまですか?」ときく。

4.ヤマト・さがわ・ゆうびんきょく(ゆうパック)・にっつうの4つはOK。以外は「わかりません」と答える。

5.ヤマト・さがわ・ゆうパック・にっつうならばげんかんのカギをあけて、「どうぞ!」とおおきいこえでおでむかえする。

7.サインしてください、といわれるので、カタカナで「ウエタケ」とかく。

8.サインしたかみをとどけてくれたヒトにわたす

9.ダンボールのはこをおき、おとうさんに「はこがとどいたよ」とLINEする

10.おとうさんがかえってきたら、ふたりで2かいのベランダまではこぶ

11.わしつのへやからベランダにむかう

12.はこを「ここにはこをおく」とかかれたあかいせんのなかにおく

13.2かいのせんめんじょの、みぎよこにあるホースのさきをのばして、ろうか、わしつ、ベランダまでもっていく

14.2かいのせんめんじょのかがみのみぎがわに10センチじょうぎがヒモでつるしてあるので、ひだりてでもつ

15.じゃぐちにつけるホースをみぎてでもつ

16.ひだりての10センチじょうぎをおでこにあてる

17.おはようございますをするときとおなじでこしをまえにたおす

18.じゃぐちのあおいマークのところにじょうぎをあてる

19.ひだりでの10センチじょうぎをコップのなかにいれる

20.みぎてのホースをじゃぐちとつなげる

21.このとき「カチッ」とするおとをきく

22.きこえたら、「きこえた!」とおおきなこえでおとうさんにいう

23.おとうさんがかくにんする

24.おとうさんがいいよといったら、あおいほうのせんを2つぶんまわす

25.みずがとびだしてこなければせいこう!

 

以下略

とこんな感じです。

これを苦労と感じるか、成長の過程として感じるかはヒトそれぞれですが

ここまで時間をかけて教えてくれる職場が少ないのが現状かもしれません。

でもくり返し教えれば、120分 ⇒ 10分 と12倍の成長をしてくれます。

ものすごい「伸びしろ」です。     今は、納品時の作業を息子一人ですることができます。

できるようになるまでにかかった期間はおよそ2ヶ月。

できるようになります、同じ障がいをもつ皆さんのお子さんも。

株式会社チームのちから
自宅でしいたけ栽培 事業責任者
植竹 剛