障がいを知る8 息子の場合6 

「おとうさん、●●ちゃんだよ」

 

 

「はじめまして、カイセイの父のツヨシです」

 

 

「こんにちは!●●です」

 

 

●●ちゃんのお母さまへも水泳会場でご挨拶させていただいた。

 

 

とても快活で清々しい体育会系女子だ。

 

 

選手としても息子よりもはるかに上。

 

 

息子は●●ちゃんとのおしゃべりに夢中で

 

 

「カイ、そろそろアップの時間だよ」

 

 

「うん」

 

 

「カイ、もう行こう!」

 

 

「うん」

 

 

てこでも動かない。(ちょっとこのままではマズいかな・・・)

 

 

ベタな展開だが、この調子では好タイムは望めない。

 

 

1日の大会では、選手は1~3レースにエントリーしている。●●ちゃんが出場する順番が回ってきた。

 

 

結果は、本人にとって納得できなかったようで、「自宅で筋トレする!」と言って足早に会場を後にした。

 

 

「え~っ!●●ちゃんかえっちゃったの?とちゅうまでいっしょにかえろうとおもったのに~ざんねんだな~、え~」

 

 

こんな時は決まって、男の方が未練がましい。

 

 

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お互い大事な時期ということで、少し距離を取ることになったが、カイの熱は下がるわけもなく。

 

 

でも、がんばればまた水泳会場で●●ちゃんに会えるというのがモチベーションの源泉になっているようで、それはそれで良いことにした。

 

 

そんなこんなで、

 

 

2018年 第21回日本知的障害者選手権 100m背泳ぎ12位、50m自由形16位、200m自由形12位

 

 

2018年 第35回日本パラ水泳選手権大会 100m背泳ぎ13位、50m自由形6位

 

 

2018年 第2回知的障害者選手権新春水泳競技会 100m背泳ぎ9位、50m背泳ぎ4位

 

 

という結果になり、パラリンピック種目の一つでもある「100m背泳ぎ」にだんだん照準を絞り、2019年度に向かうことになった。

 

 

つづく

 

 

株式会社チームのちから
代表取締役 植竹 剛