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代表取締役 植竹剛の「植竹流げんきになる」ブログ

植竹が実際に体験・経験したドキュメントをベースに、何かのお役に立てるよう毎日書いています。

”採用できない”に答える3つのポイント ~パートさんアルバイトさんが育つ組織づくり4~

パートさんアルバイトさんが育つ組織づくりの「入口」は採用です。

 

 

採用が大事という理解はあっても、その手前の募集で「媒体に掲載する」ことが目的になっている会社を多く見かけます。

 

 

1.応募数を増やす3つの対策ポイント

 

・現在、募集媒体はwebが主流

・募集媒体に載せるだけでは応募確率は上がらない (情報量が限定されるため)

・自社のHPで自社採用サイトを作る必要あり (情報量をコントロールできる)

 

 

 

2.募集内容を見て、未来の応募者にイメージしてもらいたい3要素

 

(自社で働くと)

1.どれだけ楽しいのか(≒充実感)

2.どんな可能性や成長があるのか

3.働く目的にマッチしているか

 

というメリットをいかに「HP上で理解してもらう」ことがカギです。人材の充足率が90%以下、3か月以内早期退職者が10%を超える会社は早急に自社採用HPを改善しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

3.改善方法の第一歩「求める人材像の設定」

 

設定要素をご紹介します。

・氏名・年齢・性別・住所(居住地) 賃貸・分譲マンション・一戸建て・家族構成・家族の職業・家族の年収・家族の可処分所得額・家族の趣味・家族の嗜好(衣食住のこだわり)・働く理由・働いて得た賃金の用途・身長/体重(体格)・友人構成・仲の良い友達像・学生生活での学業成績・学生生活で熱心に打ち込んだこと・将来の夢が雇用側・被雇用側・総合職・専門職のどれか(参考:ミュージシャンであれば専門職)・生活でのこだわり(例:清潔な部屋を維持するために毎日30分は清掃をする)・個性としての強み・個性としての課題・才能もしくは能力における強み・才能もしくは能力における課題等々

 

ここまで細かく決める理由は採用サイドが「求める人材像」を具体的にイメージできるかが目的です。マーケティングの分野ではペルソナの設定と言います。分かりやすいサイトをご紹介します。 ferret(フェレット)

 

 

4.好事例紹介

 

良い事例としてご紹介したいのは、自社採用HPではなく募集媒体会社と共同開発の事例です。相当なコストもかかっていますが、求める人材像をしっかりとらえた構成になっています。

カフェ・ド・クリエ(主婦層)

シニア人材とうたっていますが、特に主婦層の取り込みを狙った構成です。このように求める人材像が具体的に決まっていると募集イメージや内容が鮮明です。逆に自社採用HPの方がちょっと・・・という所も面白いです。

カフェ・ド・クリエ(自社採用HP)

 

 

求める人材を採用するには人材像の具体化が一番です。ぜひ設定してみてください。

 

 

ご意見・ご質問・ご感想お待ちしております!

 

 

 

 

株式会社チームのちから
代表取締役 植竹 剛

【事例付き】パートさんアルバイトさんが育つ組織づくり3

昨日のブログでお約束しました

”私が店長時代にどのようにこの「理念説得活動」を毎日実践したか” を書いていきます。

 

 

私がロッテリアに入社した当時(もう25年も前)、出勤すると朝礼があって締めは「ロッテリア五訓」の唱和でした。

 

 

ロッテリア五訓

一、私はいつでも、高品質の商品を提供します。

二、私はいつでも、美しく清潔な店舗を維持します。

三、私はいつでも、お客様を大切にします。

四、私はいつでも、チャレンジ精神を持ち続けます。

五、私はいつでも、心身共に健康な状態で最善を尽します。

 

 

5年半、年間260日として約1,430回になります。「通し勤務」というシフトもある時は、早番・遅番の朝礼で2回唱和するので1,600~1,700回くらいは唱和したと思います。

 

 

これだけでも理念浸透の効果はありますが、実態は「唱和しているだけ」「覚えているだけ」の状態であったようにも思えます。

 

 

盛り上がりに欠ける朝礼でしたので、何か工夫をしてみようと考えてみました。事例を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.朝礼時

☆五訓の中で、今日のシフトで「何をどうこだわるか」を伝達する。

☆アルバイトリーダーにさらに細かく目標を設定してもらう。

☆全員がメモを取る。

 

 

これも実践されている企業は多くあると思います。

 

 

この中で私は「何名の常連のお客さまに『今日のこだわり』に気づいていただけるか」を調査することにしました。

 

 

常連さまが来店されると、席まで伺い「今日のこだわりポイントは何だと思います?」と質問していきました。

 

 

最初は、「うん?何だろう。観察してみるね」というリアクションでした。

 

 

お声掛けを1週間ほど行うと、ピークタイム(忙しい時間帯)に、わざわざカウンターまでお越しいただき、「客席の清掃にこだわってる?」とお知らせいただくこともありました。

 

 

「有難うございます!!!」と感謝するとともに、私自身「うれしい気持ちいなった」ことをよく覚えています。

 

 

これは「小さな努力」を『評価』していただけることで、モチベーションが上がるという気づきを得ました。

 

 

何のためにロッテリア五訓を毎回唱和しているのかの答えは「お客さまにご理解いただく、感じていただくため」であることはパートさんアルバイトさん全員分かっています。でも、実感が湧かない」という課題がありました。そこを工夫したのです。

 

 

そこで、うれしくなった私は実務が終わった後に行う「終礼」で、パートさんアルバイトさん全員に「報告」をする仕組みを導入しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.終礼時

☆今日は佐藤さま、鈴木さま、田中さま、計☆名の方に気づいていただけました!(例)

☆気づいていただけた常連さまが選ぶ今日のNo.1は「斎藤さん」です!おめででとう!

 

 

 

副賞は自店舗で使える「ハンバーガー」もしくは「エビバーガー」の無料チケット1枚です。本来の使い方とは違いますが時効としてください(笑)。

 

 

こぼれ話で、カウンターやフロア業務を行うスタッフ(ロッテリアではパートさんアルバイトさんのことを「メイト=仲間」と当時呼んでいました)の方が有利だ!という声が上がりました。

 

 

その通りです。当時は「グリル=ハンバーガーを作る役割」、「フライヤー=ポテトやパイを揚げる役割」といった分担がされていました。このメンバーはいわば黒子的であり、常連さまに直接アピールすることは難しい立場です。

 

 

そこで、私はそのメイトに提案しました。

 

 

”高品質の商品”という言葉の意味は広い範囲を指すけど、カウンター(のメイト)と連携して揚げたてポテトをアピールしてもらって、「おいしい!誰が揚げてるの?」と言っていただけるのではと思う。

 

 

バーガー類も同じだね。シンク(洗い場)やバックヤードで仕込みやクレンリネス(清潔な状態を維持する業務)をしていても「異臭防止」や「大きな音は立てない」というケアは、常連さまならきっと気づいていただけるはずだ。

 

 

という話をした後日、常連さまに「商品」のこと「バックヤードでの仕事ぶり」もぜひ観察なさってくださいというお願いをしていきました。

 

 

そして、”チーム黒子”にもスポットライトが徐々に照らされるようになりました^^

 

 

今日のポイントです。

◆工夫の第一歩は普段から「何かヒントはないかな」と小さな事象を観察する。

 

◆ヒントに気づけたら以下の4ステップを踏む。

① 仕掛け(やり方の計画)

② 調整・準備(常連さまへの協力依頼)

③ 実施(朝終礼)

④ 改善ポイント(揚げたてポテト)を即実行

 

◆小さなことから始める。大きすぎると目的がぼやける。

 

 

このような活動が軌道に乗ると、「店舗の売上」はジワジワと上昇していきます。そして何より大切なのは、パートさんアルバイトさん一人ひとりが「貢献できている」という実感を得てもらえることです。

 

 

ちなみに、この活動での副産物は「新人パートさんアルバイトさん」が一番難しいと思われる、「お客さまとの一言会話」も格段にスピードアップして上手になりました。

 

 

理念説得、浸透の意味をご理解いただけましたでしょうか。

 

 

ご意見・ご質問・ご感想お待ちしております!

 

 

 

 

株式会社チームのちから
代表取締役 植竹 剛

パートさんアルバイトさんが育つ組織づくり2

パートさんアルバイトさんとのコミュニケーションはコロナ禍の今でも取れていますか?

 

 

今多くの経営者は資金繰り、感染予防の対策に忙しい日々だと思います。そのような中、コロナ終息後、一気に経済が回り出すとき「会社を支えてくれたパートさん、アルバイトさん」がいなかったり、ワンチームでないとすれば乗り遅れてしまいます。鈍すれば貧するは避けたいですね。

 

 

このブログは、全従業員向けにも対応するように構成しています。どうぞご参考になさってください。

 

 

このブログで使われるデータはすべて「アイデム 人と仕事研究所」のHPから引用させていただいています。以前研修を2年間にわたって開催させていただき、大変お世話になりました。

 

 

目次

第1章 育成までたどり着かない理由

1-1 早期退職の真の理由

1-2 理念/社風/体制づくり

1-3 人材/労働マーケット

1-4 求める人材像の設定

1-5 年間募集採用計画

1-6 募集要項の作り方

1-7 面接前準備

1-8 面接

1-9 採否決定

1-10  振り返り

1-11  まとめ

第2章 受入のための準備

第3章 定着する仕組みづくり

第4章 育成の仕組みづくり

 

 

1-1 早期退職の真の理由

パートさんアルバイトさんが定着しない、成長しない会社は「何かしらの対策」は必須です。

 

 

ではどのような対策を打つべきでしょうか。

 

 

対策には「方針=どのように改善したいのか」という考えを具体的にまとめた「社長の宣言文」が必要です。

 

 

尊敬してやまない、伝説の経営コンサルタント故一倉 定さんは

「世の中に、良い会社とか悪い会社なんてない。

あるのは、良い社長か悪い社長だけである。

会社は社長次第でどうにでもなるんだ」

とおっしゃっていました。

 

 

 

次に、「改善」と書きましたが言葉の意味として「悪いことを良くしたい」という現実と理想の対比を示しています。

 

 

では「良い」とは何を指すのでしょうか。

 

 

ズバリ、『「会社の理念」に向かって従業員全員が企業・事業活動をしているのか?』に尽きます。

 

 

 

あぁ、理念の話ね。と思われた方は危険です。「コンサルタントが良く言うこと」として流さないでください。今日申し上げたいのは「理念がなければ社長がつくり、想いや意味をかみ砕き、毎日説明・議論をする」ことです。考えるだけではなく、行動に移しましょうと言いたいのです。

 

 

 

 

 

 

 

世間では「理念教育」とも言われますが私は「教育」ではなく「説得」だと思っています。

 

 

 

どこまで熱く社長が語り続け、従業員の声を聴き続けるという『「熱=温度」の差」を同じにするという行為は上下関係を表す「教育」ではないと考えているからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

その「温度差」が一番大きいのがパートさんアルバイトさんです。だから大変なのです。

 

 

壮大な話になってしまった感もありますが、明日は私が店長時代にどのようにこの「理念説得活動」を毎日実践したかを書きます。

 

 

ご意見・ご質問・ご感想お待ちしております!

 

 

 

 

株式会社チームのちから
代表取締役 植竹 剛

パートさんアルバイトさんが育つ組織づくり1

「パートさんアルバイトさんが育つ組織づくり」の資料がやっと完成しました。

 

 

今、コロナ禍でパート・アルバイトを休ませている事業所や店舗も多いと思います。でも、再開するときをイメージして「今できること」を実践していただきたくて公開することにしました。

 

 

パート・アルバイトとZoomやLINEなどでコミュニケーションを図り、必ず一緒に働ける日を目標にして、ぜひ取り組んでみてください。

 

 

まずは章立てをご紹介します。

 

 

第1章 育成までたどりつかない理由

第2章 受入のための準備

第3章 定着する仕組みづくり

第4章 育成の仕組みづくり

 

 

となっています。今日から少しずつご説明していきます。問いかけもありますので、ぜひ回答や質問を弊社インフォメーションセンターまでお寄せください。必ずご返信いたします。

 

 

また、ご意見もお待ちしております。下のフォームよりご記入ください。

 

 

 

 

このブログで使われるデータはすべて「アイデム 人と仕事研究所」のHPから引用させていただいています。以前研修を2年間にわたって開催させていただき、大変お世話になりました。

 

 

 

第1章 育成までたどり着かない理由

1-1 早期退職の真の理由

1-2 理念/社風/体制づくり

1-3 人材/労働マーケット

1-4 求める人材像の設定

1-5 年間募集採用計画

1-6 募集要項の作り方

1-7 面接前準備

1-8 面接

1-9 採否決定

1-10  振り返り

1-11  まとめ

 

 

1-1 早期退職の真の理由

 

約半数が「退職する本当の理由」を言わないものです。理由は結構単純なものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

平成21年パートタイマー白書では、「辞めた理由」についても聞いています。

 

・「今までで最も早く(短期間で)辞めてしまった職場の退職理由」
⇒第1位「職場の人間関係に問題があったから」26.2%

・「今の職場で辞めたいと思ったことがある(57.8%)人の、その理由」
⇒第1位「職場の人間関係に問題があったから」35.5%

 

 

 

という理由であれば「本心」は言わないですよね。といいますか「言えない」ので「ほかの理由をでっち上げる」というのが実際にあることが推測できます。

 

 

さらにリアルな統計調査結果があります。

 

 

◆人間関係について誰かに相談したか?

「相談したことがある」45.9%

「相談ことしたことはない」54.1%

半数以上は誰にも相談していません

 

 

 

 

◆「相談した」と回答したパート・アルバイトに「誰に相談したのか」

「同僚のパート・アルバイト」が63.8%

「家族」48.9%

「職場以外の友人」46.8%。

「店長など事業所の責任者」「それ以外の正社員」「パートリーダー」については20%未満

 

 

これが実態です。パート・アルバイトが定着しない、成長しないと嘆く経営者や人事担当者は耳が痛いはずです。

 

 

このような状況になってしまっているならば、「何かしらの対策」は必須です。

 

 

明日はその対策方法についてお話しします。ご意見・ご質問お待ちしております!

 

 

 

 

株式会社チームのちから
代表取締役 植竹 剛

経営者が想う社員への配慮

本日は無料相談依頼を受け、とある経営者の方のお悩みを伺いました。

 

 

ご相談内容をまとめてみました。

 

 

・コロナ禍、社員みんなの健康状態が心配だったがGW明けに全員元気に出社してくれた。

 

・工場経営をしているし、デジタル化も推進してこなかったので、テレワークではまったく仕事にならない。仕方ないと思える面もあるが心を痛めている。

 

・なんとか社員の心意気に感謝の意を伝えたい。臨時手当などを検討しているが、良策はないものか。

 

 

このような相談を受けた時、私の回答を会話形式でまとめてみます。

 

 

 

 

 

1.社員たちが働き甲斐を感じる動機を考える

 

”社長、推測ですが経営自体はコロナ前は順調でしたね?”

 

”はい、全く問題ありませんし、今もおかげさまで”

 

“これで大体わかりました。元気に出社してくれる社員の皆さんは、
「自粛しているご家庭へ我々の作った商品を届けたい」という
『社会的価値』を感じておられます。使命感と言っても良いです”

 

 

 

 

2.価値の交換の危険性

 

”そうそう、そうなんですよ!”

 

”この価値に対して支払うべきは「働き続けられる環境」を提供することです。
これは、会社の存続という大きなくくりだけではなく、
社員個人の健康に対しての対価を支払うべきです”

 

”なるほど、やはり危険手当みたいなもので良いですね!”

 

”ちょっとお待ちください。
それは非常に経営としてリスクしか生まないと思います。
会社は行政とはちがいます”

 

”ええっ!なんでですか??”

 

 

 

3.社員が求めている本当の安心

 

”私がご提案させていただくのは二段階です。
まず、「万一感染してしまった場合」の休業補償を100%にすることです”

 

 

二つ目は「社員と同居するご家族が感染した場合でも100%休業補償を認める」

 

 

”家族までの気遣い・・・”

 

 

“はい、そうです。
感染予防にも最大限、気を遣われていると思いますが
今以上に強化してくれるでしょう。
会社には迷惑を掛けられないというお気持ちが
さらに強くなるはずです”

 

 

 

 

4.福利厚生と間接報酬の考え方

 

“そういうことが「経営者としての想いを伝える」とうことなのですね”

 

 

”はい、私はそう考えます。その上で感謝とともに
「健康器具やサプリメントなどを買ってね」などという名目で
臨時手当を支給するのは効果倍増になるでしょう”

 

 

“よく分かりました。ありがとうございました”

 

 

”私も良い事例を学べました。ありがとうございました”

 

 

 

まっすぐで誠実そうな社長さまでした。相談を終えて、清々しい気持ちになれました。

 

 

株式会社チームのちから
代表取締役 植竹 剛